私達の生活に浸透しているソファ、リビングルームには欠かせないアイテムとなっています。これ一つでお部屋の雰囲気が決定されると言っても良い、もっとも重要な家具の一つですね。
ですが、「そもそもソファーとは何であるか？」ということをつきつめて考えてみたことのある方は意外と少ないのではないでしょうか？
あらためてその語源から掘り下げることによって、ソファーに対する新たな発見や、再認識ができるのではないか思います。
この記事では、 「ソファー」という言葉の成り立ちについてご紹介いたします。
ソファーという言葉の定義
ソファーを知らない人にソファーというものについて説明する場合、どういった言葉で説明するでしょうか？
ウェブスター辞書の中のソファー
世界的に権威のある英語辞典の代名詞の一つである、『ウェブスター辞典（Webster’s Dictionary）』の『sofa』の項目には、以下のように記載されています。
（概訳：筆者）
ソファー（sofa）とは
a long and comfortable piece of furniture on which a person can sit or lie down
人が座ったり横たわったりすることのできる、形が長く、快適な家具のひとつ。
及び、
a long upholstered seat usually with a back and arms
長く、革（皮）張りのされている、通常背もたれと肘掛けのあるもの。
ブリタニカ百科事典の中のソファー
また、最も伝統的な辞書である『ブリタニカ百科辞典』によると、『Settee（セッテ）』をソファーの同義語として扱っています。
以下は筆者が訳を要約したものを掲載いたします。
ソファは背もたれと肘掛けのある、皮（革）張りされているもので、2人以上の人間が座ったりもたれたりできるものである。
以上のことをまとめると、ソファーとは
- 長い形状
- 人が座る、もたれる、横たわることができるもの
- 皮（革）張りがされている
- 2人以上が座ることができる
- 背もたれと肘掛けのあるもの
といった特徴をもつものの総称であると定義できるようです。
みなさまはソファーという単語を見ると、どのような形のものを思い浮かべますか？
ソファーという言葉の誕生
『オックスフォード英語辞典』、『中世英語辞典 (Middle English Dictionary) 』、『バーンハート語源辞典』等を出典として構成されている、オンライン語源辞典『オンライン・エティモロジー・ディクショナリー （Online Etymology Dictionary） 』には、ソファーの語源は以下のように記されています。
1620s, “raised section of a floor, covered with carpets and cushions,” from Turkish sofa, from Arabic suffah “bench of stone or wood; a couch.”
Meaning “long stuffed seat for reclining” is recorded from 1717.1620年代は「トルコのソファや、アラビアのスッファからきた、カーペットやクッションにより、床からせり上がった部分、石や木でできたベンチ、カウチ」
「長く、包まれたシートを施されたもたれるもの」という意味で記録されるようになったのは1717年である。
また、長い椅子状のものは、16世紀以前にも存在していましたが、ソファーという単語として定着したのは、18世紀以降、背もたれや肘掛けを造り、布やクッションで座り心地や寝心地をよくしたものが登場してからのようです。
アラビア語のsuffa(スッファ)
スッファはアラビア語でもソファーを意味しますが、「形容詞」や「許容量」などを表す多様な言語でもあります。石や木でできたベンチに布を置いたり、床と壁にクッションを置いて座る場所にしたりした快適性を追求したものについてを、スッファ、ソファと呼ぶようになっていたのではないかと推測されます。
また、スーフィーというイスラム教の一派は「スッファ」という言葉から来ており、「モハメッドの周りに座る人」という意味から派生したのでは無いかという説もあります。（諸説あります）
まとめ
いかがでしたでしょうか？ソファーという単語の意味と語源について深めていくと、あるときいきなりソファーというものが誕生したのではなく、人々が「座るこのと快適性」を追求した結果、その行為から形状が発展し、現在あるソファーという一般名詞に定着したという歴史を感じることができます。
今夜はお手持ちのソファーでくつろぎながら、あるいは新しいソファーを探しながら、歴史上の人々の暮らしに思いをはせてみてはいかがでしょうか？